米国永住権(グリーンカード)を取って8年目。
ついに私の元にあれが届きました。
「あれ」とは、
「陪審員資格質問票(アンケート)」とでも訳しましょうか。
アメリカ国民・有権者には陪審員として出廷する義務がある
元々イギリスの植民地だったアメリカ。
一般的な慣習法としてイギリスで生まれ、国王の権限を制限する意味合いを持つようになっていたコモン・ロー(Common Law)。
細かいことは難しくてわかりませんので、もっと詳しく知りたい方は、ウィキのコモン・ローのページを読んでくださいね
アメリカの陪審員制度はそこから継受された制度で、王政ではないアメリカでは、政府の権力を監視する意味合いがあるそうです。
アメリカ国民の有権者であるならば、ランダムに陪審員として選ばれることがあります。
アメリカの法制度を理解したいなら、ドラマ「LAW&ORDER」を見るのがてっとり早いかも
Jury Dutyで仕事を休んでも、給料は出る
陪審員として裁判に出廷することをJury Dutyといいます。
Jury Dutyは国民の義務であり、会社を休んでも、勤めている会社または、給料が払われない場合は、州が払ってくれます。
2021年5月現在、NY州では、1日$40(約4000円)が支払われます。
日本人でも、アメリカの陪審員になれるの?
アメリカ国籍を取得した元・日本人(日本は二重国籍を認めていないため)で、有権者であるならば、陪審員として出廷できる可能性はあります。
上記の通り、ランダムに選ばれなければいけませんし、実際に陪審員としての資格があるかも問われます。
わたし自身は、法的にアメリカ滞在を認められている永住権保持者(Permanent Resident)なだけで、アメリカ国民(Citizen)ではありません。当然、有権者でもありません。
なのに今回、「Juror Qualification Questionnaire(陪審員資格質問票)」、届いたのです。
なぜ?
陪審員資格質問票は誰に届く?
この「Juror Qualification Questionnaire(陪審員資格質問票)」が届く可能性があるのは、
以上に当てはまった人のうちから、ランダムにこの質問票が届くそうです。
今回、わたしにこの質問票が届いたのは、「選挙に行った人」以外すべて心当たりがあります。
例えば、留学や駐在で一時的にアメリカに住んでいる方でも、DMV(Department of Motor Vehicle:運転免許センター)で車の免許を取得すると、届く可能性があるということになります。
陪審員資格質問票は、10日間以内に返信
「有権者」ではないと、陪審員になる義務はないのですが、この質問票の冒頭に「The law requires you to complete this questionnaire.」「respond within 10days.」とあります。
「このアンケートに答えるのも法律で決まってることなんだからね! 10日以内に返事してね!」と言われています。
この質問票を受け取った時点で、陪審員資格の有無は関係なく、即返事しないといけないのです。
陪審員資格質問票に回答し、送る方法
以下の方法から、選んで質問に回答することができます。
わたしはインターネットで回答しました 。
Juror Qualification Questionnaire(陪審員資格質問票)の質問&解答例
いきなり届いたんだけど、英語がわからない! という日本人の方の参考に、インターネットでの返信方法を記しておきます。
ニューヨーク州 陪審員資格質問票の質問1
インターネットで返信する場合は、はじめに、自分の情報を引き出さなければいけません。
Juror Index Numberには、郵送されてきた質問票に、自分の氏名・住所の下にバーコードと数字(NYSは9桁)が印刷されてあるので、その数字をそのまま入力します。
Name Verificationは、姓を最初の3つのアルファベットを入力。
「YAMADA」なら「YAM」。
「Submit(提出)」を押すと、個人情報が表示されます。
よく確認して、自分の情報が表示されていれば、「この情報で間違いないですか?」に対し、「YES」を押します。
また、この質問表は、
「自分に送られたものです(Me)」、「自分以外(Someone Else)」と確認させられます。
Meを押します。
ニューヨークでは、英語が全く出来ない人も多いです。
英語が読める家族や友人に代理で頼む人も多いので、このような質問があるのですね。
このあと、自分のEmail、電話番号、誕生日を入力し、質問1は終わりです。
ニューヨーク州 陪審員資格質問票の質問2~7
簡単に日本語に訳すとこのような感じ。
以下は、わたしが実際に回答した質問と、回答です。
各質問に対する回答は、各自で違うと思いますので、らいさわの答えを丸写しでなく、質問をよく読んでから答えてくださいね。
* 万が一、らいさわの解答を参考にしながら入力した結果、間違った回答をされたとしても、責任は負いかねます。
証拠となる補足書類を送りなさい
以上のように提出したら、「アメリカ国民でないことを証明する補足書類のコピーを送りなさい」と表示されました。
このメッセージは、登録したEmailアドレスにも届きます。
アメリカに滞在しているステータスにより、提出書類が変わってきます。
郵便局にわざわざ出向くのも嫌だったので、The Commissioner of Jurors (陪審委員)にEmailしたら、
非米国民証明をするために提出する書類はEmailで送って良いと言われました。
セキュリティーが不安だったので、期限が切れた日本のパスポートを送りました。
すぐに返事が来て、資格がないことを告げられました。
さいごに
今回わたしのもとに届いた「Juror Qualification Questionnaire」は、
アメリカ国民の義務のひとつ、陪審員として裁判に出廷する資格があるかを確認する質問票です。
陪審員として出廷するには、アメリカ国民で有権者でなければいけません。
わたしのような永住権保持者だけでなく、アメリカに留学しにきている学生さんや、駐在員の方にも届く可能性があります。
アメリカ国民でない場合は、そのことを証明する書類を提出しなければいけません。
移民が多いという国柄、英語ができない人も多く、アメリカ国民であっても、英語で行われる裁判に、英語の理解力・コミュニケーション能力があるかの有ることも資格のひとつとなっています。
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* Screenshots were taken from nyjuror.gov when the author was completing the Juror Qualification Questionnaire.
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