NYCでは、6月はPride Month(プライド月間)。
プライド月間を祝うビジネスは、LGBTQ(セクシャルマイノリティの総称のひとつ)象徴のレインボーフラッグ(虹色の旗)や、レインボーをモチーフにしたものを飾ったり、売ったりしています。
性的(セクシャル)マイノリティを扱った絵本「タンタンタンゴはパパふたり」(英語のタイトル「And Tango Makes Three」)があります。
むすめちゃんと読んだお気に入りの一冊です。
せっかくなので、6月のこのPride月間に紹介させてください。
* 個人、団体により、「LGBT」「LGBTQ」「LGBTQ+」「LBGTQIA+」などとを変えているようなのですが、とりあえずこの記事では「LGBTQ」を使用しました。
「タンタンタンゴはパパふたり(And Tango Makes Three)」はどんな話 【ネタバレ注意】
絵本「タンタンタンゴはパパふたり」の原題は「And Tango Makes Three」。
ニューヨークのセントラルパーク内にある、動物園での実話をもとにしたお話です。
ローイとサイロはセントラルパーク動物園にいるオス同士のペンギンカップル。
2匹はなにをするにも一緒。
通常オスとメスのペンギンカップルがすることを、オス2匹で行っていました。
ただし、彼らが温める卵は石。
もちろん孵ることはありません。
その様子を全て見ていた飼育員。
あるメスペンギンから生まれた卵のうちの1つを、ローイとサイロに与えます。
2匹は、他のカップルと同じように交代しながらで卵をあたため、ついに卵を孵化させます。
そうして生まれたのがタンゴ。
生まれたあとも、ローイとサイロは、他のペンギンたちと変わらず、タンゴを大事に育てます。
「タンタンタンゴはパパふたり」を選んだ理由と感想
前もっての知識はなく、ペンギンが好きだという理由で、むすめちゃんとのベッドタイムストーリーに読み(オーディオブックだったので、実際には聞き)始めたんです。
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解説も含めて聞くと、なかなか重いテーマの絵本でびっくりしました。
でもそれは大人の感想。
子供用の絵本なので、本編は短くまとめられているし、すごくわかりやすい言葉で書かれています。
「オスのカップルが別のペンギンの卵を育てる」という、少し普通でないイベントも、読み手が自然に受け入れられる、ストレートな文章がすごく良かったです。
子供が小さなうちからこの手の本をたくさん読ませておけば、LGBTQに限ったことではなく「マイノリティ」に対する差別をすべきではない、という視野に広がると信じています。
▲ ベストセラーになったブレイディみかこさんの「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー(新潮文庫)」でも触れられています
「タンタンタンゴはパパふたり」は扱うテーマが人間社会と同じ
セントラルパーク動物園のペンギンたちの実話ですが、扱っているテーマは、人間社会でもよくある現実。
解説で語られていたんですが、タンゴを生んだメスペンギンは、一度にひとつの卵しか育てられないペンギンだったそうなんです。
人間社会でも、自分の恋愛やギャンブルなどに夢中になって、小さな子供は置き去りにしている間に亡くなったとかいう種類の悲しいニュースが流れますよね。
人間は、ペンギンより賢いんちゃうんかい! 責任持てないなら生むな! と怒りを覚えて仕方ありません。
血のつながりがあっても育児放棄するような親の元で育てられるよりは、愛情たっぷりに育ててくれる元他人の方が、よっぽど子供のためになるのではと普段から考えています。
「万引き家族」見ました? 多方面から考えさせられる、よくできた映画でしたわ
オーディオブック「And Tango Makes Three」もいい!
「タンタンタンゴはパパふたり」は、優しいタッチの絵で描かれているペンギン親子の絵やセントラルパークの絵もとても素敵なんですが、オーディオブック版(英語)がすごく良いのです!
アメリカ人俳優ニール・パトリック・ハリスが読み聞かせしています。
「天才少年ドギー・ハウザー」ですよ!
これは、40歳以上でないとわからないでしょうね~・・・。
最近ではマトリックスの新作「The Matrix Resurrection/マトリックス レザレクションズ」にも出演してました!
彼自身もゲイであることを公表していて、パートナーと子供がいます。
個人的な感想で、彼の話し方はすごく舞台俳優っぽいなと思うんですが(実際に彼はTV・映画だけではなく舞台・ミュージカルもこなすマルチな俳優さんです!)、そんな彼の英語の読み聞かせが見事にはまってるんです。
単語一つ一つの発音が、とてもキレがよく、英語学習中の親子に、太鼓判を押せます!
▼ こちら、わたしたちが愛読の英語版「And Tango Makes Three」
タンタンタンゴはパパふたりをお薦めしたまとめ
LGBTQをはじめ、この絵本に含まれたテーマが理解ができれば、差別を受けやすいその他「マイノリティ」への理解を深める良いきっかけになるのでは、と期待しながら、時々取り出してはむすめちゃんと一緒に読んでいます。
難しい言い回しは無く、セントラルパーク動物園を知っているからでしょうか、心にすーっと入ってきます。
本当におすすめ絵本(&オーディオブック)なので、ぜひ手に取ってみてください!
▼ 英語で読む絵本ではこちらの「Ordinary People Change the World」シリーズも大のおすすめです!
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